☆アラン・ドロン略歴

★ALAIN DELON
非行少年からフランスを代表する美男スターとなったドロンは、影のあるハンサムという役柄で母国フランス以上に日本で人気を誇った俳優です。

1935年11月8日、フランス、パリ南部にある田舎町ソーで、乾物屋を営む両親のもとに生まれた。黒い髪と深みのある青灰色の瞳を持つ赤ん坊は未熟児で、長くは生きられないと思われた。8歳年下の妹・エディットが生まれた頃、父の浮気が発覚して離婚。母は妹を連れて実家に帰り、やがて精肉店を営む男性と再婚した。ドロンは里子に出されたが、里親の死亡により11歳で母に引き取られる。思春期の彼は養父に馴染めず、非行少年のレッテルを貼られ、学校も何度も放校された。
ようやく商業学校を卒業したドロンは、兵隊募集のポスターを見て軍隊に志願する。17歳で海兵隊に志願して入隊、インドシナ戦線に従軍し、2年後の54年に停戦で現地で除隊する。その後アメリカやメキシコなど世界各地を放浪の末、56年にパリに戻った。

57年にすでに俳優だったジャン=ポール・ベルモンドやジャン=クロード・ブリアリと共にカンヌ映画祭に出かけ、有名なプロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックにスカウトされる。しかし、スクリーン・テストを受けたが、英語ができずにその時はそのまま終わってしまう。その直後に友人より紹介されたイブ・アレグレ監督夫人の口添えで、マルク・アレグレ監督の勧めでフランス映画界に入り、マルクの弟イーヴ・アレグレ監督の『女が事件にからむ時』の小さな役でデビューした。続いて兄マルク・アレグレ監督の『黙って抱いて』(57年)で、生涯のライバルにして親友のジャン=ポール・ベルモンドと初共演する。
ベルモンドはジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーといったヌーヴェル・ヴァーグの監督たちに気に入られ、個性的な大スターへとなっていく。ドロンはヌーヴェル・ヴァーグに圧されたベテランの大監督たちと数多く仕事をした。特にルネ・クレマンとはよくコンビを組んでいる。ドロンを世界的なスターにした『太陽がいっぱい』(59年)は、クレマンのヌーヴェル・ヴァーグへの対抗でもあったのだ。
ドロンは、その美貌とハングリーさ、図太い神経でのし上がった。若き日の彼は鏡に映った自分の姿にうっとりしながらラブシーンを演じた、といわれるほどのナルシストだったようだ。バイ・セクシャルのうわさもあり、自分のボディーガードが何者かに殺された事件では、被害者との同性愛疑惑に加え、暗黒街とのかかわりもささやかれた。

ドロンの代表作は、美女3人を手玉にとる『お嬢さんお手やわらかに』(58年)だろう。ドロンはキザで甘い愛の言葉をソノシートに吹き込み、スクール水着がお似合いの地味な娘を口説く。この色事師は、後年『あの胸にもういちど』(67年)のニヒルな教授となって復活する。マリアンヌ・フェイスフルの素肌を包んだ黒皮のバイク・スーツのジッパーを、ドロンは唇に挟んで引き下げる。

元非行少年のドロンには、影のある役も多かった。『太陽がいっぱい』(59年)では、貧しい青年トム・リプリーが、金持ちの友人を殺して彼になりすます。ハリウッドでリメイクされたこの映画には、同性愛の匂いが漂っていると指摘する意見が多い。この他にもドロンの作品には同性愛的雰囲気を持つ作品が何作かある。
ハリウッドに乗り込み出演した『泥棒を消せ』(65年)、『テキサス』(66年)に出演するが興行的に失敗。帰国した後に出演した青春映画の傑作『冒険者たち』(66年)で野性的な魅力を発散させ見事な復活を遂げたが、ここにも同性愛的な男の友情が漂う。また、『アラン・ドロンのゾロ』(74年)でも総督の役には女性っぽい仕草で、ゾロに変身する前はどこか影を感じさせた。愛読書「失われた時を求めて」の一編を映画化した『スワンの恋』(83年)ではゲイの役に扮している。

58年『恋ひとすじに』に共演したロミー・シュナイダーと撮影後にパリで同棲生活をはじめ、ルキノ・ヴィスコンティ演出の舞台「あわれ彼女は娼婦」でも共演。シュナイダーは『太陽がいっぱい』の冒頭に特別出演しています。二人の仲は5年続いたが、ドロンと『黒いチューリップ』(63年)の撮影スタッフだったナタリー・バルテルミーとの間に子供ができて、シュナイダーとは別れナタリーと結婚する。『サムライ』(67年)で映画デビューした妻は、ナタリー・ドロンとして女優業に目覚め、やがて69年に離婚する。
続いて出現したのが『ジェフ』(68年)で共演したミレーユ・ダルクで、彼女が書いた小説を映画化した『栗色のマッドレー』(70年)では、実生活を思わせるようなエロティックなシーンを繰り広げた。

また、息子のアントワーヌ・ジョルジュ・アランは、アンソニー・ドロンの名で『予告された殺人の記録』(87年)に出演しています。
ドロンの引退作品は、『ボルサリーノ』(69年)以来の親友、ベルモンドとの共演が話題の『ハーフ・ア・チャンス』(98年)だった。

彼は、69年にアデル・プロダクションを設立して映画製作に進出し、73年にはヘリコプターによる輸送会社を設立するなどして実業家になる。
75年公開の『アラン・ドロンのゾロ』では、主演50本記念ということで、何本かの主演依頼があった中で、一人息子の意見を聞いてこの映画に決めています。
また政財界にも手を伸ばすなど、手広く仕事をすることになる。旅行会社のツアーでアラン・ドロンと食事をする企画もあるらしい。

画像
★映画出演作品
〈1957〉
 女が事件にからむ時/QUAND LA FEMME SEN MELE
 黙って抱いて/SOIS BELLE ET TAIS-TOI
〈1958〉
 恋ひとすじに/CHRISTINE
 お嬢さんお手やわらかに/FAIBLES FEMMES
〈1959〉
 学生たちの道/LE CHEMINDES ECOLIERS
 太陽がいっぱい/PLEIN SOLEIL
〈1960〉
 若者のすべて/ROCCO EI SUOI FRATELLI
 生きる歓び/QUELLE JOIE DE
〈1961〉
 (未公開)/UNE FEMME DU MONDO
 マルコ・ポーロ/MARCO POLO
 素晴らしき恋人たち/LES AMOURS CELEBRES
 太陽はひとりぼっち/L' ECLIPSE
〈1962〉
 フランス式十戒/LE DIABLE ET LES DIX COMMANDMENT
 地下室のメロディー/MELODIE EN SOUS-SOL
 山猫/THE LEOPARD
〈1963〉
 黒いチューリップ/LA TULIPE NOIRE
 危険がいっぱい/LE CRIME ET SES PLAISIRS
〈1964〉
 さすらいの狼/L' INSOUMIS
 黄色いロールス・ロイス/THE YELLOW ROLLS-ROYSE
〈1965〉
 泥棒を消せ/ONCE A THIEF
 パリは燃えているか/PARIS BRULE-T-IL ?
 名誉と栄光のためでなく/LOST COMMAND
〈1966〉
 テキサス/TEXAS ACROSS THE RIVER
 冒険者たち/LES AVENTURIERS
〈1967〉
 サムライ/SAMOURAI
 あの胸にもう一度/LA MOTOCYCLETTE
 世にも怪奇な物語/HISTORIES EXTRAORDINARIES
 悪魔のようなあなた/DIABOLIQUEMENT VOTRE
〈1968〉
 さらば友よ/ADIEU L' AMI
 太陽が知っている/LA PISCINE
 ジェフ/JEFF
〈1969〉
 シシリアン/LE CERCLE ROUGE
 ボルサリーノ/BORSALINO
〈1970〉
 仁義/LE CERCLE ROUGE
 栗色のマッドレー/MADLY
 もういちど愛して/DOUCEMENT LES BASSES
〈1971〉
 レッド・サン/RED SUN
 帰らざる夜明け/LA VEUVE COUDERC
〈1972〉
 暗殺者のメロディ/THE ASSASSINATION OF TROTSKY
 リスボン特急/UN FLIC
 ショック療法/TRAITEMENTE DE CHOC
〈1973〉
 スコルピオ/SCORPIO
 高校教師/LA PRIMA NOTTE DI QUIETE
 ビック・ガン/BIG GUNS
 燃えつきた納屋/LES GRANGES BRULEES
 暗黒街のふたり/DEUX HOMMES DANS LA VILLE
〈1974〉
 個人生活/LA RACE DES "SEIGNEURS"
 愛人関係/LES SEINS DE GLACE
 ボルサリーノ2/BORSALINO 2
 アラン・ドロンのゾロ/ALAIN DELON IN ZORRO
〈1975〉
 フリックストーリー/FLIC STORY
〈1976〉
 ブーメランのように/COMME UN BOOMERANG
 ル・ジタン/LE GITAN
〈1977〉
 友よ静かに死ね/LE GANG
 パリの灯は遠く/MR KLEIN
〈1978〉
 チェイサー/MORT D'UN POURRI
〈1979〉
 エアポート'80/AIRPORT '80-THE CONCORDE
〈1981〉
 危険なささやき/POUR LA PEAU D'UN FLIC
〈1982〉
 最後の標的/LE CHOC
〈1983〉
 スワンの恋/UN AMOUR DE SWANN
 /LE BATTANT
〈1984〉
 私刑警察/NE REVEILLEZ PAS UN FLIC QUI DORT
 真夜中のミラージュ/NOTRE HISTOIRE
〈1990〉
 ヌーヴェルヴァーグ/NOUVELLE VAGUE
〈1992〉
 カサノヴァ最後の恋/LE RETOUR DE CASANOVA
〈1995〉
 百一夜/LES CENT ET UNE NUITS
〈1998〉
 ハーフ・ア・チャンス/UNE CHANCE SUR DEUX
〈2002〉
 くたばれ!ハリウッド/THE KID STAYS IN THE PICTURE

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