TV「刑事コロンボ/構想の死角」第3話

本作は「刑事コロンボ」がシリーズ化になった最初の作品で、監督はあのスティーブン・スピルバーグが担当しています。しかし、この当時のスピルバーグはまだ24歳の青年で、有名ではなかったのです。プロデューサーもしていた原作者のレヴィンソンとリンクは、彼が監督することを、ピーター・フォークに了承をとらなければならなかった。それは、フォークが拒否した監督は多かったからだ。しかし、スピルバーグが監督を担当した何本かのTV作品を観たフォークは彼の演出に感心し、監督をさせることを同意したのです。

〈コロンボのまめ知識〉
☆たとえ、パイロット版が成功しても、テレビ局は必ず変更を要求してくるのが常識だった。「刑事コロンボ」もそうだった。「殺人処方箋」と「死者の身代金」のパイロット版が高視聴率だったが、NBCはまだ「刑事コロンボ」の特異なドラマ模様に懐疑的だった。そして注文リストが、局から提出されたのだ。
1、なぜ、視聴者にすぐ犯人の正体を知らせてしまうのか。それではサスペンスがないではないか。
2、主人公は、彼のファミリーともいうべきレギュラー出演者に支えられるべきだ。コロンボには、せめて若い助手が必要だ。
3、主人公だから画面に早めに登場させるべきだ。視聴者はそんなに辛抱強く、主人公の登場を待ってはくれない。
4、番組にもっとアクション(バイオレンス)を入れろ。
5、会話シーンが多過ぎる。そのためテンポがなく、緊迫感も生まれてこない。
6、姿を見せない妻?それはバカげたアイディアだ。妻などなくしてしまおう。視聴者は、主人公が時にはロマンチックな出会いを体験する姿を見たがるものだ。

プロデューサーでもあった原作者のレヴィンソンとリンクは、この注文を拒否した。彼らはそれなら「辞める」と脅したのだ。それでNBCは渋々、引き下がり「刑事コロンボ」のシリーズが決定されました。NBCの重役たちは「ミステリー・ムービー」の中で「刑事コロンボ」がいちばんの低視聴率になると予測しただろう。「ミステリー・ムービー」は毎週水曜日の夜8時30分から10時までの、ゴールデン・タイムに放送されていました。同じ枠で放送される「警部マクロード」、「署長マクミラン」との交代で「刑事コロンボ」が放送されたのです。そしてどの番組より高視聴率を出したのだ。

☆推理作家ケン・フランクリンがラ・サンカ夫人にサインを書きプレゼントする本の題名は「殺人処方箋」で、原作者レヴィンソンとリンクの頭文字は「L & L」、推理作家ケンとジムは、「F & F」です。


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〈ストーリー〉
ジム・フェリスとケン・フランクリンのコンビ作家による推理小説「ミセス・メルヴィル」シリーズはすべての新作がベストセラーとなる人気作だ。しかし、実際に執筆しているのはフェリスで、フランクリンは一行も書くことが出来ず、もっぱら講演やサイン会など社交面だけを担当していた。長い間「ミセス・メルヴィル」だけを書いていたフェリスは、そろそろシリーズを終わらせシリアスな物を始めたかった。そこで彼はフランクリンにコンビ解消を頼んでいた。これはフランクリンにとって大打撃だった。それでフランクリンは、フェリスを殺し、お互いにかけ合っていた生命保険金を手に入れようと計画するのだ。
フランクリンは、オフィースで仕事をしていたフェリスを強引にサンディエゴの別荘に連れて行き、そこからフェリスに妻のジョアンナへ仕事で帰れないと電話させる。今夜は妻と食事の約束をしていた為、フェリスは別荘にいると言えなかったのだ。そしてその最中にフランクリンはフェリスを射殺し、銃声を聴いたジョアンナは夫がオフィースで撃たれたと思わせる。一方、フランクリンは別荘にいることを何人かに目撃させ、オフィースから車で3時間ほど離れたサンディエゴにいたことのアリバイを作ったのだ。
ジョアンナはすぐに警察に電話したが、オフィースには夫フェリスはいなかった。ジョアンナの電話で駆けつけたフランクリンは、コロンボに最近フェリスはマフィアの本を書こうとしていた為、彼らに殺されたのではないかと言うのだ。翌日、フェリスの遺体が発見された。それでコロンボは殺人事件として捜査する。コロンボはフェリスがアイディアを必ずメモしておくことをジョアンナから聞く。そして、今回の殺人とソックリなトリックのメモを発見するのだ。
コンビ作家の二人のうち、フランクリンがまったく書けないことを突き止めたコロンボは、彼がフェリスのアイディアを借りて犯行を行ったのではないかと思う。そしてフランクリンを調べていると、サンディエゴの別荘近くの湖で、食料品店の女主人が溺死した事件に遭遇する。食料品店の女主人ラ・サンカは、フェリス殺人事件のことで、当日フランクリンとフェリスが一緒にサンディエゴにいたことを目撃し、フランクリンを脅迫していたのだ。
コロンボは、フランクリンに「フェリス直筆のメモで、今回の殺人のトリックを書いたのを見つけました。あなたがフェリスのアイディアを借りて犯行を行ったのではないですか?それに食料品店の女主人が溺死した頃、別荘に電話しましたがあなたは留守でしたね。ラ・サンカも犯行の目撃者だった為、あなたが殺したのでは?」と言う。フランクリンは観念してコロンボに「メモのアイディアは、唯一自分が考えたものだったんだ」と言い、犯行を認める供述をするのだ。

原題/MURDER BY THE BOOK
米・オンエアー/1971年9月15日
日・オンエアー/1972年11月26日
        アメリカ・ユニヴァーサル映画 76分

監督/スティーブン・スピルバーグ
創作/リチャード・レヴィンソン
   ウィリアム・リンク
脚本/スティーブン・ボチコ

出演/ジャック・キャシディ(田口 計)
    :ケン・フランクリン(ジムの相棒)/推理作家
   ピーター・フォーク(小池朝雄)
    :フィリップ・コロンボ/
        ロサンゼルス市警察〈本部〉殺人課警部
   マーティン・ミルナー(堀 勝之祐)
    :ジェームス・フェリス「ジム」/推理作家
   ローズマリー・フォーサイス
    :ジョアンナ・フェリス(ジムの妻)
   バーバラ・コルビー
    :リリー・ラ・サンカ/食料品店女主人
   リネット・メティ
    :グロリア/雑誌記者

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