映画「プレステージ」パンフ

一流のマジックは、3つのパートから成る。
1、プレッジ(確認)。うやうやしく、そこにタネも仕掛けもないことを観客に確認させる。でも、もちろんタネはある。
2、ターン(展開)。その仕掛けのない道具で、期待にそむかないパフォーマンスを見せる。さて、そのトリックを見破ろうとしても、分かりはしない。
3、プレステージ(偉業)。しかしそれだけでは観客は満足しない。最後にもう一段、予想を超えた驚きを提供する。そう、このバランスの中にこそトリックの生命線がある。だからそれを「プレステージ(偉業)」と呼ぶのだ...。

ヒュー・ジャックマン演じるアンジャー、その妻ジュリアが溺れ死ぬ「水牢脱出」。これは「脱出王」と呼ばれた実在のマジシャン、ハリー・フーディーニが完成させたとされ、彼自身このマジックで死んだと伝説になっている。そのフーディーニは自分の脱出マジックを真似たマジシャンがいると、ライバルの水槽に多量の苛性ソーダを入れ、失明させかけたとも伝われる。また、フーディーニは各国の警察の牢獄から「脱獄」を成功させていて、フランシス・フォード・コッポラ総指揮の『マジック・ボーイ』同様、クリスチャン・ベール演じるボーデンが脱獄しないか、刑務官が警戒するのに信憑性をもたらせている。

大きな嘘をつくためには、小さな真実をちりばめるのが、だましの定石。そのため本作にはいくつかの史実が盛り込まれている。駆け出しのアンジャーとボーデンがマジックを盗みに行く、「チャン・リン・スー」は実在した。チャン・リン・スーは、ボーデンが指を失う、「銃弾つかみ」で死亡する。検屍解剖によって、彼は中国人ではなく白人の変装だったと分かったのだ。チャン・リン・スーは、ボーデンのいう、マジックのために日々を犠牲にしたマジシャンだったのだ。
また、デヴィッド・ボウイ演じる科学者「ニコラ・テスラ」も実在の人物。本作で怪しげな放電を発する「テスラ・コイル」は、映画『フランケンシュタイン』の実験室にはつきものになっている。

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〈ストーリー〉
19世紀末のロンドン。拍手と歓声が鳴り響く舞台の下。男はそこに設置された水槽の中に、まさに溺れ死なんとするライバルの姿を見て驚愕する。その男、「THE プロフェッサー」と呼ばれた奇術師アルフレッド・ボーデンは、長年のライバル、「グレート・ダントン」ことロバート・アンジャーを溺死させた疑いで法廷に連れ出される。目撃者として証言台に立ったのはマジックの考案者でアンジャーの協力者、カッター。彼はふたりの確執が生まれた過去へと思いを馳せる...。
〈過去〉
それはアンジャーとボーデンが中堅どころの奇術師「ミルトン」のもとで共に修業をしていたときのことだった。アンジャーの愛妻であり助手のジュリアが水中脱出に失敗し、溺死するという事故から始まった。彼女の手をロープで結んだのはボーデンで、前日の打ち合わせで1重に縛るか2重に縛るかでもめていた。アンジャーはボーデンに「どう縛ったのか?」と聞いても、ボーデンは「忘れた」と答えるだけだった。この悲劇はアンジャーを復讐の鬼に変え、以降、ふたりは常に競い合い、いがみ合うライバルとなったのだ。
やがて、ボーデンはサラと出会い結婚し、ひとり娘ジェスをもうけ幸せに暮らしていた。アンジャーのもとには助手志願の美しい娘オリヴィアが現れるが、その存在も彼を癒してはくれなかった。ライバルの幸せはアンジャーをより不幸にし、復讐に走らせることになる。
そんな時、ボーデンが新しいマジックを披露した。それは彼が一瞬のうちに左のドアから右のドアへと移動する「瞬間移動」。トリックを見破れないアンジャーは焦るが、カッターはそっくりな人物を使っているに違いないという。同じトリックでマジックをすることにしたアンジャーは、自分と瓜二つの三流役者でアル中のルートをスカウトし、「新・瞬間移動」と銘打ってボーデンに対向する。ボーデンを上回る人気を得たアンジャーには、パフォーマーとしての華があったのだ。
しかし、そんな名声には満足できず、ボーデンの「瞬間移動」のトリックの秘密を知りたくて、オリヴィアにボーデンの助手となってトリックを探ることを命じる。戸惑いながらも、ボーデンのもとで働き始めるオリヴィア。やがてふたりは互いに惹かれ合うようになる。そんなある日、オリヴィアがトリックの秘密が書かれているであろうボーデンの日記を持ち出し、アンジャーに差し出した。それは解読に時間を要するものであったが、ボーデンとの取り引きのなか、ついに、トリックを暴くキーワード「テスラ」を聞き出すことに成功した。
テスラとは、エジソンと肩をならべる科学者で、ロンドンで電気の公開実験を行ったニコラ・テスラのこと。アンジャーはボーデンの瞬間移動のトリックを求め、アメリカ・コロラドへと向かいテスラに会うことが出来た。そしてテスラに瞬間移動装置の制作を依頼する。出来上がった装置は、アンジャーの想像を絶するものだった。
その装置と共に、アンジャーがロンドンに帰ってきた。カッターと再会したアンジャーは、100回のみという約束で上演を組む。それはまさに究極の瞬間移動。スパークする電気の中でアンジャーが消え、次の瞬間、観客席の後から姿を現わすというものだった。ある日、ライバルが完成させた驚愕のトリックの秘密を求めて舞台裏へと忍び込んだボーデンは、そこで溺れ死ぬアンジャーの姿を目にするのだった...。
〈現在〉
アンジャーを溺死させた疑いで鎖に繋がれたボーデンは、やがて絞首刑にされることに決まった。ボーデンのもとに貴族コールドロウ卿の代理人オーエンズが訪ねてくる。奇術が趣味のコールドロウ卿はタネを高価で買い取るといい、また娘ジェスの世話を申し出る。さらに興味深いものを差し出した。それはアンジャーの日記。その日記は、ボーデンが思いもよらない驚愕の真実を知らせるものだった...。

原題/THE PRESTIGE
製作/2006年
公開/2007年 アメリカ映画 130分

監督/クリストファー・ノーラン
原作/クリストファー・プリースト『奇術師』
脚本/ジョナサン・ノーラン

出演/ヒュー・ジャックマン
    :ロバート・アンジャー「グレート・ダントン」/
                        奇術師
   クリスチャン・ベール
    :アルフレッド・ボーデン「Theプロフェッサー」/
                        奇術師
   スカーレット・ヨハンソン
    :オリヴィア(アンジャーの助手)
   マイケル・ケイン
    :カッター/トリック・コディネーター
   デヴィッド・ボウイ
    :ニコラ・テスラ/天才発明家
   パイパー・ペラーボ
    :ジュリア・マッカロー(アンジャーの妻/助手)
   アンディ・サーキス
    :アレー
   レベッカ・ホール
    :サラ・ボーデン(アルフレッドの妻)

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『映画パンフ・プログラム・チラシ大辞典』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~jidai2005/

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