映画「さまよう刃〈YAIBA〉」パンフ

もしも、かけがえのない一人娘を殺されたら。しかも薬物投与されたあげくレイプという凄惨な目にあわされた上で。あなたは、その犯人が未成年者だったとしても許せますか?
本作は、殺人事件の被害者遺族である父親・長峰重樹が、そのやり場のない哀しみと怒りを、自らの行動によって事件捜査を担当する警察官たちと、作品を観る観客に訴えかける作品です。この映画が投げかけるメッセージはそれだけではありません。犯人の少年たちは未成年者であるため「少年法」によって、その身を保護されています。いくら残虐な犯行を行おうが未成年という年齢のボーダーラインによって、それに見合う量刑が犯罪者に施行されない法律の現状があるのです。現代社会における正義とは、何なのか。職務とあるべき正義とのギャップの間で、事件を担当した織部刑事は激しく苦悩する。その彼に、法に即して行動せざるを得ない警察機構の現実を論す先輩の真野刑事。三者三様の視点から社会のひずみを映し出した、心揺さぶられる作品です。

『伴崎アツヤ殺害事件を担当しておられる警察関係者のみなさまへ』
私は、先日荒川で死体となって発見された長峰絵摩の父親、長峰重樹です。
すでにおわかりのことと思いますが、伴崎アツヤを殺したのは、私です。
.....
伴崎アツヤを殺し、恨みが晴れたのかと問われますと、もし何もしなければ、悔いが残ることになったことだけは確かだと思います。
伴崎は未成年です。逮捕されたとしても、更生と社会復帰を目的とする理由で、刑罰とはとても言いがたい判決がくだされたことでしょう。一度生じた「悪」は決して消えることはありません。彼らによって生み出された「悪」は、永遠に私の心の中に残り続けるのです...。
今はまだ逮捕されるわけにはいきません。私には、まだやらねばならないことがあるからです...。
私は何があっても思いを果たします。
 長峰重樹


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〈ストーリー〉
ある冬の朝、荒川べりで無残な制服姿の少女の死体が発見された。事件現場に駆けつけた刑事、織部孝史と真野信一は、少女の死体に強姦と薬物注射の痕跡があることを知る。やがて被害者は、長峰重樹の一人娘で、中学生の絵摩であることが判明する。遺体安置室へやってきた長峰は、変わり果てた娘と対面する。妻を亡くし、絵摩の成長だけを楽しみに生きてきた長峰は、絶望の淵へと叩き落とされる。その哀れな姿に、織部刑事はかける言葉が見つからなかった。

そんなある日、無気力な日々を送る長峰の家の留守電に、見知らぬ人間からのメッセージが入った。
「絵摩さんは、スガノカイジとトモザキアツヤに殺されました...」。犯人の名前と住所まで詳細に述べるメッセージの主は何者なのか。内容の真偽を確かめる術もない長峰は、警察に捜査状況の進展を尋ねるが、刑事たちは言葉を濁すだけだった。いら立ちを覚えた長峰は独りで犯人の一人とされる「伴崎アツヤ」のアパートを訪れた。そこで彼が観たものは、絵摩をレイプする伴崎ともう一人の少年を写したビデオテープだった。そこには薬物を投与されて動かなくなった娘を、まるで物のように扱う彼らの行動までが収められていた。電話の信憑性を確信した長峰は、激しい怒りに震えながら、伴崎の帰りを待つ。やがて帰宅した伴崎の腹に刃物を突き立てた長峰は、「スガノカイジはどこだ!」と問いつめていた。菅野カイジが長野のペンションにいることを知った長峰は、その日から姿を消したのだ...。

ほどなく伴崎の死体が発見され、現場の指紋から警察は「長峰重樹」の犯行だと断定する。同じ頃、長峰から捜査本部に犯行を自供する手紙が届く。その手紙には、娘を死なせた少年たちが未成年者であるために与えられる刑罰の軽さを憂い、自分はどうしても彼らを許せないという、深い悲しみと怒りが綴られていた。
長峰の心情に同情以上の何かを感じた織部刑事は先輩の真野刑事に、
「われわれ警察は、菅野のような者に更正のチャンスを与え、長峰さんやほかの被害者の目の届かないところに隠そうとしている。結局それは被害者である長峰さんから、一方的に未来を奪い取ることになるんですよ」と詰め寄った。その彼に真野刑事は、
「長峰には、もう未来なんてないんだよ...」と言うのだった。

製作/2009年
公開/2009年10月10日 日本映画 112分

監督・脚本/益 子 昌 一
原作/東 野 圭 吾『さまよう刃』

出演/寺 尾   聰
    :長峰 重樹/被害者父親
   竹野内   豊
    :織部 孝史/警視庁捜査一課捜査班刑事
   伊 東 四 朗
    :真野 信一/警視庁捜査一課捜査班刑事
   酒 井 美 紀
    :木島和佳子(隆明の娘)
   山 谷 初 男
    :木島 隆明/ペンション「クレセント」オーナー
   長谷川 初 範
    :島田/警視庁捜査一課捜査班班長
   木 下 ほうか
    :伊藤/警視庁捜査一課捜査班刑事
   池 内 万 作
    :田中/警視庁捜査一課捜査班刑事
   岡 田 亮 輔
    :菅野カイジ/暴行殺人犯人
   佐 藤 貴 広
    :中井  誠(カイジ、アツヤの使いっ走り)/少年
   黒 田 耕 平
    :伴崎アツヤ/暴行殺人犯人

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