映画「先生を流産させる会」チラシ

2009年の1月から2月にかけ、愛知県半田市のごく普通の中学校で起こった出来事が日本中を戦慄させた。1年生の男子生徒たちが<先生を流産させる会>を結成、妊娠中だった担任の女性教諭の給食に異物を混ぜるなどの悪質な悪戯をしたのだ。おぞましくも今日的な事件はメディアの注目を集めたものの、教育委員会は「あくまで稚拙な悪戯」という見解だった。ネット上では過激な処罰を求める声も少なくはなかったが、どちらも安全な立場から発せられた無責任な発言ではないか...そんな疑問から、この映画『先生を流産させる会』は誕生したのだ。
成熟過程の漠然とした不安と焦燥が性に対する嫌悪感と結びついたとき、予想もしない行動に出る少女たち。それに「大人」として、そして「母親」として、毅然と立ち向かう女性教師。映画化にあたり、男子生徒から女子生徒へと設定が変わり、物語はあくまでフィクションとして描かれるものの、閉塞的な学校社会、モンスターペアレンツの問題といった現代の教育がはらむ病巣をしっかりとらえながら、少女たちと教師との「いのち」をめぐる葛藤にしっかり向かい合った最凶の教育映画と言える作品となったのだ...。

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〈ストーリー〉
ある郊外の女子中学校教員・サワコは、難しい年頃の生徒たちや子供に過剰な愛情を注ぐ父兄らに手をこまねながらも、時に厳しく教え子たちを指導する。そんなサワコが妊娠した。一気に色めく立つ生徒たち。退屈な毎日に刺激が欲しい生徒たちにとって、それはひとつの事件だった。担任のおめでたに過度に反応したのは、複雑な家庭環境に育ったミヅキたちのグループ。
「サワコ、セックスしたんだよ。気持ち悪い!」
「妊娠してるんだよね。気持ち悪くない...?」
思春期の少女たちにとって、それは汚らわしい行為にしか思えない。彼女たちは廃墟となったラブホテルの一室で、ある会の結成の儀式をたてる。名付けて、《先生を流産させる会》だった。

早速サワコに嫌がらせを始めるミヅキたち。理科室で薬品を盗み、サワコの給食に混入する。異変に気付いたサワコは口に入れたものをすぐに吐き、保健室に運ばれた。何食わぬ顔でベッドで眠るサワコの元を訪れたミヅキは、サワコの腹部に触れながら保健の先生に問う。
「何カ月から人間になるんですか? もう人間なんですか?」 答えに詰まる保健の先生...。

ホームルームで、心当たりの生徒の名前を、配った紙に書くよう告げるサワコ。そこから犯人を割り出したサワコは、放課後ミヅキたちを教室に残す。「私は赤ちゃんを殺した人間を殺す。先生である前に女なんだよ」。しかしサワコの怒りを込めた訴えも、罪の意識が希薄なミヅキたちには通じない。逆に嫌がらせはエスカレート、後ろめたさを感じ始めたメンバーも、仲間外れにされる恐怖感からかミヅキに異を唱えることができない。サワコにあからさまな対決姿勢をとるミズキらに、大人として、そして母親として毅然として立ち向かうサワコだったが...。

「生まれる前に死んだんでしょ。いなかったのと同じじゃん...」
無邪気にそう告げる少女に「大人」はどう答えることができるのか...?

公式サイト、http://sensei-rsk.com/index.html

製作/2011年
公開/2012年5月26日 日本映画 62分

監督・脚本/内 藤 瑛 亮
脚本協力/佐 野 真 規
     松 永 育 紀
     渡 辺 あ い

出演/宮 田 亜 紀:サワコ/中学校教師
   小 林 香 織:ミヅキ/中学校生徒
   高 良 弥 夢
   竹 森 菜々瀬
   相 場 涼 乃
   室 賀 砂和希
   大 沼 百合子

映画チラシ・パンフレット販売
『映画パンフ・プログラム・チラシ大辞典』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~jidai2005/

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