映画「ぐるりのこと。」パンフ

どんな困難に直面しても一緒に生きていく。ふたりが辿る希望と再生の10年を描く珠玉のラブ・ストーリー。
出版社につとめ、週3日は夫との「する日」を決めている、何事にもきとんとしなければ気がすまない妻・翔子。彼女を演じるのは、今作が映画初主演となる木村多江。大きな悲しみから心を病み、やがてそこから力強く再生していく女性の姿を、身を削るようにして演じきり、凛としたたたずまいと繊細な感情を同時に表現した。彼女はこの作品で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しています。
一方、靴の靴修理工から法廷画家へと職を変え、頼りなげな夫・カナオを演じるのは、こちらも本格的な映画初主演となるリリー・フランキー。翔子をやさしいまなざしで見つめ、何があっても彼女を受け止め、支え続ける慈愛に満ちた役柄を、飄々とした表情と体温を感じさせるあたたかな息づかいで好演しています。

本作の舞台となるのは、1993年冬からアメリカの9・11テロに至るまでの約10年間。本作は翔子とカナオの再生のドラマを描き出す一方で、その社会背景にも静かに迫っていく。カナオが法廷で目撃するのは、90年代から今世紀諸島にかけて起きた実際の事件とその犯罪者たち。宮﨑勤による連続幼女誘拐殺人事件やオウム真理教による地下鉄サリン事件など、個人の希望の裏側に存在する社会の負の側面にも目を向けています。

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〈ストーリー〉
1993年7月。ふたりの部屋のカレンダーには「×」の書き込み。妻・翔子が決めた週に3回の夫婦の「する日」の印。しかし、その日に限って、靴修理屋で働く夫・カナオの帰宅は遅い。女にだらしないカナオが遊び歩いているのでは?彼の手の甲をぺろりと舐め、浮気かどうかチェックする翔子だった。カナオは先輩の紹介で、新しく法廷画家の仕事を引き受けてきたところだった。
「はあ!?靴屋は? とにかく...決めたことやってから話そうか」。苛立った様子で、翔子は寝室へ消える。「この感じからは...ちょっと勃たないと思うな...」カナオはぼやきながら、渋々寝室へ入っていくのだった...。

ふたりはどこにでもいるような夫婦。翔子は女性編集者として小さな出版社でバリバリ働いている。一方、カナオは法廷画家の仕事に戸惑いつつ、クセのある記者・安田や先輩画家らに囲まれ、次第に要領を掴んでいく。職を転々とするカナオを、翔子の母・波子や兄の勝利とその妻・雅子らは好ましく思っていない。しかし、そんなカナオとの先行きに不安を感じながらも、小さな命を宿した翔子には喜びのほうが大きかった。「お、動いた!」カナオと並んで歩く夜道で、翔子は小さくふくらんだお腹に手を触れる。カナオのシャツの背中をぎゅっと掴んで歩くその後姿には、幸せがあふれていた...。

1994年2月。ふたりの部屋に掛けられたカレンダーからは「×」の印が消えている。寝室の隅には子どもの位牌と飴玉が置かれていた。初めての子どもを亡くした悲しみから、翔子は少しずつ心を病んでいく...。

法廷でカナオはさまざまな事件を目撃していた。1995年7月、テレビは地下鉄毒ガス事件の初公判を報じている。産婦人科で中絶手術を受ける翔子。すべてはひとりで決めたこと、カナオにも秘密である。しかし、その罪悪感が翔子をさらに追い詰めていく。弱った体で無理をおして書店でのサイン会に立ち会うが、ふとしたことから涙があふれてしまう。そして、ついに実家で倒れてしまうのだった...。

1997年10月。法廷画家の仕事もすっかり堂に入ってきたカナオ。翔子は仕事を辞め、心療内科に通院している。台風のある日、電話が通じないことに不安を感じたカナオが家へ急ぐと、雨風が吹き込む真っ暗な部屋で、翔子はびしょ濡れになってたたずんでいた。
「わたし、子どもダメにした...」翔子は取り乱している。「どうして...どうして私と一緒にいるの?」そんな彼女をカナオはやさしく抱きとめる。「好きだから...一緒にいたいと思ってるよ...」

1999年2月のカレンダーには再び「×」の印が付けられていた。ふたりの生活は少しずつ平穏を取り戻していた。カナオがバイトする絵画教室でスケッチに励む翔子。ふたりの部屋の居間には翔子が描いた美しい絵の数々が立てかけられている。季節が過ぎていくなか、時がすべてを洗い流していく。そんななか、カナオは法廷で地下鉄サリン事件、小学児童殺傷事件といった陰惨な事件が裁かれるのを目撃していたのだった...。

製作/2008年
公開/2008年6月7日  日本映画  140分

監督・原作・脚本/橋 口 亮 輔

出演/木 村 多 江
    :佐藤 翔子/出版社女性編集者
   リリー・フランキー
    :佐藤カナオ(翔子の夫)/靴修理工・法廷画家
   倍 賞 美津子
    :吉田 波子(翔子の母)
   寺 島   進
    :吉田 勝利(翔子の兄)
   安 藤 玉 恵
    :吉田 雅子(勝利の妻)
   柄 本   明
    :安田 邦正/出版社記者
   寺 田   農
    :吉住 栄一/法廷画家
   八 島 智 人
    :諸井 康文
   木 村 祐 一
    :「夏目先輩」(カナオの先輩)
   斎 藤 洋 介
    :橋本 浩二
   温 水 洋 一
    :和久井寛人
   峯 村 リ エ
    :生方 圭子
   山 中   崇
    :小久保健二
   加 瀬   亮
    :田中ツヨシ
   光 石   研
    :幼女誘拐殺人事件の弁護士
   田 辺 誠 一
    :売春事件の裁判長
   横 山 めぐみ
    :資産家の母親
   片 岡 礼 子
    :小山 悦子
   新 井 浩 文
    :大間 真治

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『映画パンフ・プログラム・チラシ大辞典』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~jidai2005/

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