☆ユル・ブリンナー略歴

★YUL BRYNNER
『王様と私』のシャム王や、『十戒』のエジプト王といったエキゾチックな役柄が多かったユル・ブリンナーは、ハリウッド・スターの中でも特異な風貌(スキンヘッド)を生かしたカリスマ的大スターとして世界中に愛されました。

本名「Taidje Khan」は、1915年7月11日(1920年説もある)、シベリアのサハリン北部で生まれた。父はスイス国籍のモンゴル人、母はルーマニア系ジプシーといわれている。10歳の時に家族そろってフランスに移住。ジプシーから音楽の手ほどきを受けたり、サーカスの空中曲芸師を経たりする中で、演技への情熱を育んだブリンナーは、ソルボンヌ大学で哲学の学士号を取得した後、41年に渡米する。マイケル・チェーホフの俳優ワークショップに入り、舞台俳優としてのキャリアをスタートさせる。CBSテレビの寸劇の演出を手掛けている時に知り合った女優のヴァージニア・ギルモアと結婚。48年に夫婦で「ミスター&ミセス」という番組を任された彼は、13週間毎日番組に出演しながらCBSの多くの番組を演出した。

50年、演劇界の大スター、ガートルード・ローレンスとブロードウェイの作曲&作詞家コンビ、ロジャース&ハマースタイン2世が企画したミュージカル「王様と私」のオーデションを受けたブリンナーは、その東洋的な風貌とあぐらをかいてジプシー民謡を歌った風変わりさが気に入られ、シャム王役に抜擢される。生涯にわたる一大事が決定されたのだ。
ブリンナーは、51年2月26日の初演以来、85年6月30日のリバイバル公演最終日まで、4625回も舞台でシャム王を演じている。当然、このヒット・ミュージカルを映画化した『王様と私』でもシャム王を演じ、世界的にその精悍な風貌と歌声が知れわたった。アカデミー賞に9部門ノミネートされ、ブリンナーは主演男優賞を受賞した。

ブリンナーのスクリーン・デビューは、49年の『ニューヨーク港』という作品にさかのぼるが、出世作となったのが前述の『王様と私』であり、同じ年に公開された『十戒』のエジプト王役である。舞台仕込みの的確な演技と貴族的な風貌で、威厳すら感じさせるブリンナーの個性は、イングリッド・バーグマンと共演した『追想』(56年)でも十分に発揮されている。ブリンナーはつるつる頭の「スキンヘッド」がトレード・マークとなったが、58年の『大海賊』などには自前の黒髪で出演している。

王様役以外でブリンナーの名を世界的に高めたのが、黒澤明監督の『七人の侍』(54年)を西部劇に翻訳した『荒野の七人』(60年)である。王様役からいきなりアクション・スターに変貌したかに見えるが、どの作品でも戦略にたけた指導者という役割は同じだった。本作品でもガン・ファイトの見せ場は若いスティーヴ・マックィーンやジェームズ・コバーンに譲って、もっぱらリーダーとしての存在感で勝負していたのが印象的だった。続編が2本作られ、ブリンナーもその1本に出演しているが、それよりも本作で演じたブリンナーのキャラクターをそのまま生かしたSF作品『ウエストワールド』(73年)のロボット・ガンマン役が、後年のブリンナーの代表作になっている。

72年に『王様と私』をもとにした連続テレビ・コメディ「アンナと王様」がCBSで製作され、ブリンナーは56年の映画版以来、久々にシャム王を演じる。相手役は『世界の果ての大冒険』(71年)で共演したサマンサ・エッガーだった。この番組は72年9月17日から12月31日まで全13話が放映された。終了後、『ウエストワールド』やその続編である『未来世界』(76年)にゲスト出演したブリンナーは、フランス北部にあるノルマンディーの自宅で休養していたころ、一通の電報を受け取る。舞台「王様と私」の再演のオファーだった。こうしてブリンナーは、77年5月にニューヨーク公演で幕を開けた「王様と私」の再演で、史上最高の成功を手に入れる。1年間ニューヨーク公演を続けた後。舞台はシカゴとロサンゼルスに行き、さらにロンドンでも成功して、死の直前まで続演した。

83年の9月、ブリンナーは肺がんの診断を受けた。既に映画『王様と私』の時に片肺を切除していて酸素吸入器を使いながら踊っていたが、余命いくばくもないと感じた彼は、舞台に全生命を懸けて取り組み、有終の美を飾りながら、85年10月10日、ニューヨークから天国へと旅立っていった。自分の病気を知っていたブリンナーは禁煙キャンペーンのテレビ・コマーシャルを撮影、このフィルムは死後に放映されました。
(週刊ザ・ムービー/40号より)
画像

★映画出演作品
〈1949〉
 ニューヨーク港
〈1956〉
 王様と私/THE KING AND I
 十戒/THE TEN COMMANDMENTS
 追想/ANASTASIA
〈1957〉
 カラマゾフの兄弟/THE BROTHERS KARAMAZOV
〈1958〉
 大海賊/THE BUCCANEER
〈1959〉
 
 ソロモンとシバの女王/SOLOMON AND SHEBA
 闘え/THE SOUND AND THE FURY
〈1960〉
 オルフェの遺言/LE TESTAMENT D'ORPHEE
 (未公開)/ONCE MORE WITH FEELING
 荒野の七人/THE MAGNIFICENT SEVEN
 (未公開)/SURPRISE PACKAGE
〈1962〉
 ザーレンからの脱出
 隊長ブーリバ/TARAS BULBA 
〈1963〉
 太陽の帝国/KINGS OF THE SUN
〈1964〉
 あしやからの飛行
 ガンファイトへの招待
〈1965〉
 モリツリ
 南太平洋爆破作戦/MORITURI
〈1966〉
 巨大なる戦場/CAST A GIANT SHADOW
 悪のシンフォニー/THE POPPY IS ALSO A FLOWER
 続・荒野の七人/RE TURN OF THE SEVEN
〈1967〉
 ダブルマン
 長い長い決闘
 トリプルクロス
〈1968〉
 闘うパンチョ・ビラ/VILLA RIDES !
〈1969〉
 黄金線上の男
 ネレトバの戦い/BITKA NA NERETVI
 シャイヨの伯爵夫人
 マジック・クリスチャン/THE MAGIC CHRISTIAN
〈1971〉
 大西部無頼列伝/ADIOS. SABATA
 マーベリックの黄金
 世界の果ての大冒険/THE LIGHT AT THE EDGE OF THE WORLD
 (未公開)/ROMANCE OF HORSETHIEF
〈1972〉
 複数犯罪/FUZZ
〈1973〉
 エスピオナージ/LE SERPENT
 ウエストワールド/WESTWORLD
〈1975〉
 SF最後の巨人/THE ULTIMATE WARRIOR
〈1976〉
 未来世界/FUTUREWORLD
 明日よさらば
 イッツ・ショータイム


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